介護医療院は2018年に厚生労働省が新しく作った介護施設の新しいタイプの介護施設である。
まず、簡単な概要について述べる。
1980年代において、長期入院している高齢患者の中で、退院後の生活において家族による介護が困難でであり、やむなく入院させている状態の患者が増加したことが問題となった病院からこのような高齢者の社会的入院をなくすため、1993年に第二次医療法改正によって療養型病床群が創設された。
その後、2000年に介護保険制度が始まり、介護療養型医療施設が創設されたこの後も、厚生労働省は、介護療養病床に対して介護療養型老健への転換をすすめていたが、医療的ケアが必要な高齢者の社会的入院は減少しなかった。
むしろ、高齢化の影響で増加の一途をたどっていた。
そこで、介護療養病床の次の受け皿として介護医療院が2018年に創設された。
介護医療院は2種類のタイプに分類されている。
一方は、重篤な身体疾患を有する者および身体合併症を有する認知症高齢者等を対象とする、介護療養病床に相当する介護医療院、もう一方は、比較的ADLは高い方だが介護を必要とする、
老健相当に相当する介護医療院である。
ここまでが、介護医療院の概要だ。
次に、現場の仕事に関してだが、上述の通り介護医療院は介護療養病床に相当する施設と老健相当に相当する施設がある。
前者の場合、痰吸引、ターミナルケアといった専門的なケアが必要になるため、レベルの高い介護が求められる。
後者の場合、介護度は高くないので、老健での勤務経験があればさほど難しいケアはない。
ただ、簡単な仕事ではなく、前者の場合と異なり、ADLの維持を目指したケアを要求される。